tamagome logs

たまごにことだま、こめてめばえる。

2013-03-01から1ヶ月間の記事一覧

KKST-0019

浴槽に胸まで浸かったまま、バスピローに頭を預けて、文庫本を十ページほどゆっくり読み進めたところだった。 ユニットバスの中折れとびらが何の前触れもなく一度に開いて、真っ黒に塗り潰された、人型の『かたまり』が、一気に中へ乗り込んできた。 理屈じ…

KKST-0018

高校の部活を終えて自宅へ帰ったタケルは、玄関ドアに寄りかかった赤い小さな寝袋の中で、見知らぬ年少の娘が、どっぷり眠りこくっているのに出くわした。 動転して息をのんだ彼が、忍び足で近寄りながら凝視するのをよそに、少女は、九歳か十歳くらいと思し…

KKST-0017

(一) 月面九条通(くじょうどおり)を甲と乙が、簡易宇宙服でタンブラー片手に並んで歩いていた。甲、軽やかに、「なんか右腕がうずくから/殴るね」と切り出す。乙、笑顔のまま訊き返す。 「え?」 (二) 間髪なく、一歩引いて軽く屈んだ甲が、乙の腹部…

KKST-0016

〇次のキーワードを用いて、八百字以内で物語のあらすじを書きます。 (建設コンサルタント・デジタル生命体・市警察・農業組合) ※キーワードは、Wikipediaの「おまかせ表示」機能を利用して、出来るだけランダムに選びました。 〇おしあがり(八百字) 建…