tamagome logs

たまごにことだま、こめてめばえる。

2013-04-01から1ヶ月間の記事一覧

KKST-0023

周りの四人で机を寄せて、「木天蓼(またたび)商店街活性化のアイデア」を十分でまとめるよう、講師から指示があった。ぼくはめんどくさかったので、もっぱら書記役につとめるべく、すぐメモ紙を目の前に出して、それとなく、まとめ役くさい台詞を放った。 …

KKST-0022

〇頼んでもいないのに届いたメンズニッセンの二〇一三年夏カタログでファッションを決めて、ワンカット書きます。 ・10ポケッツテーラードジャケット、濃紺(五千九百九十円)・タブルガーゼ長袖シャツ、紺ストライプ(千九百九十円)・イタリアンレザーベル…

KKST-0021

しびれをきらしたのか、ローテーブル越しに、少し年上の営業マンがビジネス的な上目遣いで決断を促してくる。同じ接客ソファに並んで座る由佳里(ゆかり)も、それを迫るような――厳密には、『わたしの意見で』という――視線を陽太郎(ようたろう)の顔面に向…

KKST-0020

天使の羽まである黒髪を鏡越しにゴムで束ねながら、ハツヱは朝のまどろみの中で感じた、さざ波のような快さの正体を、自分の素知らぬ顔の奥にただした。 幻想の始まりには、ヒイラギの広くてすらりとした体躯があった。 見上げるハツヱに彼は、ほほえみかけ…