tamagome logs

たまごにことだま、こめてめばえる。

KKST-0026

〇次のキーワードを用いて、八百字以内で物語のあらすじを書きます。

(ショッピングセンター・西暦六〇九年・戦争・田舎町)

※キーワードは、Wikipediaの「おまかせ表示」機能を利用して、出来るだけランダムに選びました。

 

〇おしあがり(八百字)

 田舎町の郊外のショッピングセンターで従業員として働くヨシアキには、ごく小さな隙間や穴を覗き込むという習癖があった。ある日の勤務中、やや強い地震に襲われた彼は、所在不明になっている年上のパート・チアキさんを捜すよう指示される。すぐに、ボイラー室で気絶して倒れている彼女を発見したものの、魔が差した彼は、その耳の何もつけていないピアス穴を思わず覗き込んでしまう。すると、何故か穴の向こうには、金色の大仏像と行き交う甲冑姿の人間の様子が。ヨシアキはこの体験に驚愕しつつも興奮する。

 店はすぐ日常を取り戻したが、我慢できなくなったヨシアキは二日後、彼女を呼び出し、正直にありのままを告白してもう一度穴を見せて欲しいと頼む。チアキさんは「変態」などと毒づいたものの面白がってもいて、結局承諾。以来、彼はチアキさん次第で何度もピアス穴を覗きながら、「向こう」が何なのか推理しようとする。

 実家に出戻っているチアキさんの家に度々家に出入りしたり、街で落ち合いながら彼女と「推理」を重ねるうちに、チアキさんの両親やひとり息子とも打ち解け、再婚相手同然の扱いを受けるようになって、「推理」は家族ぐるみに。やがて「法興寺」という文言を発見したことから、「向こう」は西暦六〇九年頃、飛鳥時代の大仏が建立された前後の寺の中で、寺や大仏の存否をめぐって二派が戦争している、という結論に達する。

 しかし、史実にはそのような記録はなく、「向こう」では寺を守る側が明らかに劣勢、現代まで残るはずの大仏が破壊される危機にあった。歴史が変わらないように「何か」すべきだと強く訴えるチアキさんの息子の発案によって、交戦中の「向こう」の敵陣にパーティースプレーでひもを噴射しまくって「援護」し、敗走させることに成功する。その後、一連のことがきっかけで婿入りしたヨシアキは、チアキさんのピアス穴の向こうにまた別の光景を見るようになる。

 

(※この文章の内容は、フィクションです。趣旨については「はじめに」をご覧ください。)

 仮題:ピアス・ホール・タイム
 分類:粗すじ
 作成開始日:二〇一三年六月一日
 作成終了日:二〇一三年六月九日
 制作時間:八時間くらい
 文字数:九百二十四

 

(このあらすじに行き着くまでに、三つほどボツにしました……。苦しかった……!)