tamagome logs

たまごにことだま、こめてめばえる。

KKST-0012

無印良品の二〇一三年春夏コーディネート集でファッションを決めて、ワンカット書きます。

オーガニックコットンUVカット太ボーダーポロワンピース(三千九百八十円)
・コットンサイドファスナーリュック(二千九百八十円)
コーデュロイリボンバレエシューズ(千九百八十円)

 

〇おしあがり

 待ち人が来るまでの暇つぶしに、斜め前方の席を眺めていた。女子高生くらいの少女二人組で、手前の短い栗毛にピンクの襟立ちシャツの子のことは、背を向けているので良く分からなかったが、向かいに座る黒髪ストレートの子の様子からして、他愛ない話に興じているだけのようだった。黒髪娘は、白地に太いグレーの横縞が入った涼しげな半袖ワンピースの出で立ちで、膝の上に小さな生成りのリュックを乗せて抱え、ウッドテーブルの上の汗だくなソーダをストローで吸ったり、目玉型プリンにフォークを刺して崩したりしながら、屈託なく笑っていた。

「煙の出方が全然違うのねー、グルヌイユの生き血だと……」

「それでソロモンにして、飛ぶと、すごい!」

 などという台詞に被さってウエイターが通り過ぎて、旧い板張りの床の軋みの連鎖に耳が行く。心地悪い冷気を、くたびれた大きな天井扇が外からの強い光と一緒にかき混ぜる。柱と梁の彫り込みが気になるが、近視気味なせいか上手く見えない。

 

(※この文章の内容は、フィクションです。趣旨については「はじめに」をご覧ください。)

 仮題:MUJI 2013SS 73F
 分類:カット
 作成開始日:二〇一三年二月十日
 作成終了日:二〇一三年二月十日
 制作時間:一時間くらい
 文字数:五百六十一

シューズを書けなかった……)