tamagome logs

たまごにことだま、こめてめばえる。

2014-01-04から1日間の記事一覧

KKST-0028

五歳の冬のある荒れた日のことを、グレインは今も時に鮮烈に思い出すことがあった。 その日、村へ続くなだからな白い丘には猛烈な風が叩きつけ、ごおごおと唸りながら、彼と母の暮らす小屋の板塞ぎの窓や、石壁の角を甲高く掻いて震わせた。彼は、粉雪が吹き…